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「火災保険って、住宅購入のときに勧められるがままに入って、そのまま…」
そういう方、とても多いです。でも火災保険は見直しの余地が大きい固定費のひとつ。特に10年以上前に加入した方は、今の家の状況に合わない補償を払い続けていたり、不要なオプションで保険料が割高になっているケースがよくあります。
今回はFPの村松先生と一緒に、火災保険の正しい見直し方を解説します。
火災保険、何のために払っているか理解していますか?
先生、火災保険って入った当時のことをあまり覚えていなくて…。火事にならないと使えないものですよね?
実は火災だけじゃないんですよ。火災保険は「火災」という名前がついていますが、台風・水害・盗難・破損など様々なリスクをカバーする保険です。でも逆に言えば、使わないリスクへの補償に余分に払っている可能性もあります。
そうか、自分の家の環境に関係ないリスクにも払ってるかもしれないんですね。
基本補償と不要になりやすいオプション
| 補償の種類 | 内容 | 必要性の目安 |
|---|---|---|
| 火災・落雷・爆発 | 火事や落雷による損害 | ◎ 必須 |
| 風災・雹災・雪災 | 台風・強風・雪による損害 | ◎ 基本的に必要 |
| 水災(洪水・高潮など) | 浸水・洪水による損害 | △ ハザードマップで要確認 |
| 盗難 | 空き巣・盗難による損害 | △ セキュリティ状況による |
| 破損・汚損 | うっかり壊した場合などの損害 | △ 子どもがいない場合は不要なことも |
| 個人賠償責任特約 | 他人への損害賠償 | △ 自動車保険と重複確認 |
| 類焼損害補償特約 | 隣家への延焼時の補償 | △ 民法上は失火責任法で免除されるため不要なことも |
特に水災補償は見直しのポイントです。マンションの高層階や、ハザードマップで浸水リスクが低い地域にお住まいの方は、水災補償を外すだけで保険料が10〜20%程度安くなることもあります。
うちはマンションの3階なんですが、水災は要らないですか?
3階なら浸水リスクは低いですね。ただ、近年は豪雨による浸水被害が増えているので、まずお住まいの地域のハザードマップを確認してから判断することをおすすめします。市区町村のウェブサイトや「ハザードマップポータルサイト(国土交通省)」で確認できますよ。
保険金額は「再調達価格」で設定されているか確認する
保険金額の設定も重要です。「建物」と「家財」それぞれの保険金額が、再調達価格(今と同じものを新たに買い直す価格)に見合っているかを確認してください。
再調達価格?購入当時の価格じゃないんですか?
そうです。昔は「時価評価」だったので年数が経つほど保険金が減りましたが、今は「再調達価格(新価)」が主流です。ただし保険金額を高く設定しすぎると保険料が無駄に高くなります。目安として家財は世帯人数×200〜300万円程度で設定されていることが多いですが、実際の家財量に合わせて見直しましょう。
| 世帯人数 | 家財保険金額の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 1人暮らし | 200〜300万円 | 電化製品・衣類等を考慮 |
| 2人世帯(夫婦) | 500〜700万円 | 家電・家具・衣類等 |
| 3〜4人世帯(子どもあり) | 700〜1,000万円 | 子ども用品・家具等を含む |
| 高額家財あり | 別途明記補償を追加 | 高価な貴金属・美術品など |
地震保険との関係を理解する
地震保険も一緒に入っているんですが、これは必要ですか?
地震保険は火災保険とセットで加入するものです。地震・津波・噴火による損害は火災保険だけでは補償されません。日本は地震大国ですから、地震保険は基本的に必要です。ただし補償額は建物・家財それぞれ火災保険金額の30〜50%(建物最大5,000万円、家財最大1,000万円)に制限されています。
地震保険は必要なんですね。でも保険料が結構するんですよね…。
そうですね。地震保険は国が関わる半官半民の保険なので保険会社によって料金差はありません。ただ建物の耐震等級や築年数で割引があります。耐震等級3なら50%割引です。証明書があれば適用できますので、持っている方は確認してみてください。
賃貸 vs 持ち家、必要な補償の違い
賃貸の場合:建物は不要、家財と賠償責任が重要
- 建物自体は大家さんが火災保険に入っているので、入居者は「家財」への補償がメイン
- 火の不始末で隣室に延焼させた場合に備えて借家人賠償責任特約は必須
- 水漏れで下の階に被害を出した場合への個人賠償責任特約もおすすめ
- 賃貸の保険料は年間1〜2万円程度が目安(補償が限定的なため安い)
持ち家の場合:建物と家財の両方を補償
- 建物への補償は必須(火災・自然災害・破損等)
- 家財は生活状況に合わせて適切な金額に設定
- 水災補償はハザードマップで判断する
- 地震保険はセットで検討する
- 持ち家の保険料は年間3〜8万円程度が目安(補償内容・地域によって異なる)
5年長期契約で保険料を安くする
火災保険の見直しで見落とされがちなのが契約期間です。1年ごとに更新するよりも、長期契約(最長5年)の方が保険料が安くなります。
どれくらい安くなるんですか?
保険会社によりますが、5年契約で一括払いすると1年あたりの保険料が7〜15%程度割安になることが多いです。例えば年間3万円の保険料なら、5年間で2〜3万円程度の節約になる計算です。ただし途中解約の場合は返戻金が減りますので注意が必要です。
| 契約期間 | 支払い方法 | 5年間の総支払額(目安) | 1年払い比較での節約額 |
|---|---|---|---|
| 1年契約(毎年更新) | 年払い | 150,000円 | — |
| 5年契約 | 一括払い | 約127,000〜135,000円 | 約15,000〜23,000円節約 |
まとめ:火災保険見直しのステップ
火災保険の見直しは一度やってしまえばスッキリします。まず現在の補償内容を確認して、不要な補償を外す。それだけで年間5,000〜15,000円の節約になることも珍しくありません。
保険証書、引っ張り出してみます!水災補償が必要かどうか、ハザードマップも確認しなきゃ。
そうしてください。火災保険は更新のタイミングで見直すのがベストです。もし今すぐ見直したい場合は、保険会社に相談すれば対応してもらえますよ。
火災保険見直し チェックリスト
- □ 現在の補償内容を保険証書で確認する
- □ 水災補償の必要性をハザードマップで判断する
- □ 個人賠償責任特約の重複(自動車保険など)を確認する
- □ 家財の保険金額が実態に合っているか見直す
- □ 地震保険の耐震割引が適用されているか確認する
- □ 長期契約(5年)を検討する
- □ 一括比較サイトで他社と保険料を比較する