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「子どものために学資保険、入っておいた方がいいよね?」
昔は誰もがこう言っていました。でも今は状況が変わっています。金利がほぼゼロの時代が長く続いた結果、学資保険の返戻率(払った保険料に対して戻ってくる割合)が低下し、正直なところNISAなど他の方法と比べると見劣りするケースが増えてきました。
特に40代で今から子どもの教育費を準備しようとしている方は、「学資保険一択」ではなく、選択肢を広げて考える必要があります。FPの村松先生に詳しく聞いてみました。
学資保険、実はそんなに増えない
先生、子どもが中学生になってやっと教育費の準備を始めようと思って。とりあえず学資保険に入ろうかと思っているんですが…。
さおりさん、学資保険を検討されているんですね。まず最初に知っておいてほしいのが、学資保険の返戻率が昔と比べてかなり低下しているという現実です。
返戻率?どれくらい戻ってくるの、ということですよね。低いってどれくらいですか?
現在の主要な学資保険の返戻率は103〜106%程度です。100万円払って103万〜106万円になる計算です。昔は108〜110%ありましたが、低金利でここまで下がりました。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 払込総額 | 216万円(1万円×12ヶ月×18年) |
| 受取総額(返戻率105%の場合) | 約226万円 |
| 18年間でのプラス額 | 約10万円 |
| 年利換算(概算) | 約0.25% |
18年かけて10万円しか増えないんですか…。それはちょっと少ない気がしますね。
そうなんです。学資保険の強みは「強制的に貯められる」「途中で死亡したとき保険金が出る」という点です。でも純粋に増やすという観点では、NISAの方がはるかに有利なんですよ。
学資保険のメリット・デメリットを整理する
学資保険のメリット
- 契約者(親)が死亡・高度障害になった場合、以後の保険料が免除されて満期保険金は受け取れる
- 強制的に貯める仕組みなので、使いこんでしまうリスクがない
- 元本割れのリスクがない(途中解約しなければ)
- 生命保険料控除の対象になる(年間最大4万円の所得控除)
学資保険のデメリット
- 返戻率が低く、インフレに対応できない
- 途中解約すると元本割れになる可能性がある
- 40代から加入すると、保険料が高くなりやすい(年齢が上がると条件が厳しくなる)
- お金の使い道が「教育費」に固定される
- インフレが進むと、将来の受取額の実質価値が下がる
NISAで教育費を準備するとどうなるか
では、同じ月1万円をNISA(つみたて投資枠)で積み立てたらどうなるか見てみましょう。過去のデータをもとにした運用シミュレーションです。
NISAって投資でしょ?元本割れもあるんじゃないですか?怖いなあ…。
おっしゃる通りリスクはあります。でも長期で積み立てると、リスクはかなり平準化されます。世界株に分散したインデックスファンドで、過去の平均リターンは年率5〜7%程度です。
| 項目 | 学資保険(返戻率105%) | NISA(年率5%想定) | NISA(年率7%想定) |
|---|---|---|---|
| 払込総額 | 180万円 | 180万円 | 180万円 |
| 15年後の資産額(目安) | 約189万円 | 約267万円 | 約316万円 |
| 増加額 | 約9万円 | 約87万円 | 約136万円 |
| 税金 | 一時所得として課税される場合あり | 非課税 | 非課税 |
え、差がこんなに大きいんですか…!?NISAの方が87万円も多いって、それは無視できませんね。
そうです。しかもNISAは運用益が非課税ですから、税引き後でも有利です。学資保険の受け取りは場合によっては一時所得として課税されるので、さらに差が開く可能性もあります。
40代が今から始めるならどうすればいいか
ここが一番大事なポイントです。40代から子どもの教育費を準備する場合、学資保険に加入しようとすると保険料が割高になる傾向があります。そして子どもが高校・大学に入るまでの時間も短い。
うちの子は今13歳だから…あと5年くらいしかない!
5年だと投資のリスクもありますね。そういう場合は「使う時期によって使い分ける」のが賢い方法です。
使う時期別の最適な貯め方
| 使う時期 | おすすめの方法 | 理由 |
|---|---|---|
| 3年以内に使う | 普通預金・定期預金 | 元本割れのリスクがなく確実に使える |
| 5〜10年後に使う | NISAのつみたて投資枠(バランスファンド) | 中長期ならリスク平準化・非課税の恩恵 |
| 10年以上先に使う | NISAのつみたて投資枠(全世界株・S&P500) | 長期なら成長資産で積極的に増やす |
じゃあ、今すぐ使う分は預金で、将来の分はNISAで積み立てる、ということですね。
その通りです。ただ、ひとつ注意点があります。NISAで積み立てたお金は、必要になったらいつでも引き出せます。でも相場が下がっているときに引き出すと損になる可能性があるので、引き出す直前に大きく値下がりしていたら「少し待つ」という選択肢を持っておくことも大切です。
学資保険が向いている人・向いていない人
学資保険が「向いている人」
- お金を絶対に使いこんでしまうタイプ(強制貯蓄として活用)
- 投資のリスクが心理的にどうしても受け入れられない方
- 万が一のとき(親の死亡時)に教育費を確保したい方
- 比較的若い年齢(30代前半まで)で加入する方
学資保険より「NISAが向いている人」
- 40代から新たに教育費を準備する方
- 長期で積み立てを続けられる自制心がある方
- 「増やしたい」という気持ちがある方
- 教育費以外にも老後資金の準備も同時にしたい方(NISAは目的を問わない)
まとめ:学資保険にこだわらず、目的と時期で選ぼう
学資保険は「悪い商品」ではありません。ただ、「とりあえず学資保険」という昭和的な常識は今の時代に合っていないと思います。特に40代から始める方は、NISAを活用した方が、同じお金で教育費も老後資金も一緒に準備できるんですよ。
ありがとうございます!まず子どもが大学に入るまでの期間と金額を計算して、近いお金は預金、遠い分はNISAに回す、ということから始めてみます。
素晴らしい!まず「いつ・いくら必要か」を明確にすることが教育費準備の第一歩です。迷ったら一度FP相談(多くは無料)を活用するのもいいですよ。
教育費準備 まとめ
- 学資保険の返戻率は現在103〜106%程度。18年で10万円程度しか増えない。
- NISAなら同じ期間で87万〜136万円の上乗せが期待できる(年率5〜7%想定)。
- 40代からは「使う時期」で方法を分ける:近い分は預金、遠い分はNISA。
- 学資保険は「強制貯蓄機能」「死亡保障」が必要な人向け。
- まずFPに無料相談して自分に合った方法を確認するのが近道。
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