目次
「毎月の保険料、気づいたら家計の中でかなり大きな出費になっていた」
そんな方、実は多いんです。生命保険は一度加入すると、そのまま惰性で払い続けてしまうことが多い。でも40代は、子どもの成長や住宅ローンの残高など、家庭環境が大きく変わる時期。「昔入ったままの保険」が今の生活に合っているかどうか、一度きちんと確認する絶好のタイミングです。
今回はFPの村松先生が、40代の保険見直しで押さえるべき3つのポイントを具体的な数字を交えてわかりやすく解説します。
40代の平均保険料と「適正な保障額」のギャップ
先生、うちは夫婦合わせて月3万5千円くらい保険料を払っているんですが、これって多いですか?
さおりさん、実はそれ、40代の平均とほぼ同じです。生命保険文化センターの調査によれば、40代世帯の保険料の平均は月3.3〜3.8万円程度。でも「平均と同じだから安心」ではないんですよ。
どういうことですか?平均って多すぎるんですか?
多くの方が「とりあえず入っておいた方が安心」という感覚で加入していて、気づかぬうちに重複した保障にお金を払っているんです。必要な保障を整理すれば、月1〜2万円は削れるケースが珍しくありません。
| 保険の種類 | 月額保険料(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| 終身生命保険(貯蓄型) | 約1万5,000円 | 死亡保障+解約返戻金あり |
| 定期生命保険 | 約5,000円 | 60歳まで等、期間限定の死亡保障 |
| 医療保険(夫) | 約5,000円 | 入院日額5,000円〜1万円 |
| 医療保険(妻) | 約4,000円 | 同上 |
| がん保険 | 約3,000円 | 診断一時金・治療給付 |
| その他(学資保険等) | 約3,000円 | — |
| 合計 | 約3万5,000円 | — |
【ポイント1】子どもが独立したら、死亡保障は大幅に下げられる
生命保険の死亡保障は「残された家族が生活に困らないようにするため」のものです。では、お子さんが社会人になって独立したら、どうでしょう?
…あ、子どもの生活費を稼ぐ必要がなくなりますね。
そうです。子どもが独立すれば、必要な死亡保障は「配偶者の生活費+住宅ローン残高」程度にまで下がるんです。住宅ローンには団体信用生命保険(団信)がついているケースが多いので、それを加味するとさらに少ない保障で十分なことも多い。
必要な死亡保障額の考え方(40代・子ども独立後)
- 配偶者の生活費:月15万円 × 30年 = 5,400万円(ただし遺族年金で一部カバーされる)
- 遺族基礎年金・厚生年金の合計:月10〜15万円程度受給できるケースも
- 実際に必要な死亡保障額:1,000〜2,000万円程度に収まるケースが多い
- もともと3,000〜5,000万円の保障に加入していた場合、大幅に削減できる可能性あり
【ポイント2】「掛け捨てvs貯蓄型」の損益分岐点を知る
うちは貯蓄型の保険に入っていて、「将来お金が戻ってくるから」って加入したんですが、これって正解でしたか?
一概には言えません。貯蓄型の保険は確かにお金が戻ってくる仕組みですが、肝心なのは「いつ、いくら戻ってくるか」そして「他の運用と比べてお得かどうか」という視点です。
| 項目 | 掛け捨て定期保険 | 貯蓄型終身保険 |
|---|---|---|
| 月額保険料(3,000万円保障・40歳男性) | 約4,000〜6,000円 | 約1万5,000〜2万円 |
| 60歳時点の解約返戻金 | なし(0円) | 払込額の80〜90%程度 |
| 死亡保障の期間 | 60歳(契約期間)まで | 一生涯 |
| 差額(月1万円)を20年間投資した場合(年率4%) | 約367万円(掛け捨て+差額投資の方が有利になるケースも) | |
貯蓄型は「保険料が高い分、解約するとお金が戻る」という仕組みですが、その分を掛け捨てに切り替えて、浮いたお金をNISAで積み立てた方がトータルでお金が増えるケースが多いんです。特に40代から加入する場合は。
じゃあ今の貯蓄型保険、見直した方がいいってこと?でも解約すると損しませんか?
加入してから年数が短いほど解約損が大きい傾向があります。まずFPに相談して「今解約した場合の損益」と「このまま払い続けた場合のコスト」を比較してから判断するのが安全ですよ。
【ポイント3】比較すべき保険の種類と選び方
死亡保障に絞って考えると、主に3種類があります。それぞれ目的が違うので、自分の状況に合ったものを選ぶことが大切です。
| 種類 | 特徴 | 向いている人 | 保険料(目安) |
|---|---|---|---|
| 定期保険 | 一定期間(10〜30年)だけ保障。掛け捨て。 | 子どもが独立するまで保障が必要な人 | 最も安い |
| 収入保障保険 | 死亡時に毎月一定額が受取人に支払われる。掛け捨て。 | 一家の大黒柱で、家族の生活費を長期保障したい人 | 定期保険より少し高め |
| 終身保険(掛け捨てなし) | 一生涯保障。解約返戻金あり。 | 相続対策・葬儀費用の準備をしたい人 | 最も高い |
40代で子どもがまだ在学中なら収入保障保険+定期保険の組み合わせが割安で必要な保障を確保できます。子どもが独立済みなら、死亡保障は最小限(葬儀費用程度)の終身保険だけに絞るのも合理的な選択です。
実際に月1.5万円削減できた事例
先日ご相談いただいた47歳のKさん(夫婦・子ども独立済み)のケースをご紹介します。保険の棚卸しをしたら、4種類の保険が重複していて月3万8千円払っていました。
うちとほぼ同じですね。どう見直したんですか?
①貯蓄型の終身保険を払済みにして保険料の払い込みをストップ、②定期保険を必要最小限に縮小、③医療保険を新しい割安なプランに切り替え。この3つで月2万3千円まで削減できました。年間で18万円の節約です。
18万円!それは大きいですね。私も一度ちゃんと見直さないと…。
見直しの手順(3ステップ)
- 保険証券を全部出す:今どんな保険に、いくら払っているかを一覧にする
- 「なぜ必要か」を書き出す:死亡・医療・がん…それぞれの目的を整理する
- FPに無料相談する:保険会社の担当者ではなく、独立系FPや保険比較サービスを活用する
まとめ:保険は「見直すほど損をしない」
保険は「一度入ったら変えてはいけない」ものではありません。人生の節目ごとに見直すのが正しい使い方です。特に40代は子育て終盤・住宅ローンの折り返し点という大きな転換期。今の保険が本当に今の自分に必要かを、一度プロの目で確認してもらうだけで年間10〜20万円の節約になることも珍しくありませんよ。
ありがとうございます!まずは保険証券を全部出してみます。長年何となく払い続けてきたお金が戻ってくる可能性があるって思うと、やる気が出てきました。