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「新電力に乗り換えたいけど、倒産するリスクが怖い」「どうやって選べばいいかわからない」——そんな声をよく耳にします。2016年の電力自由化から8年以上が経ち、市場はだいぶ成熟してきました。正しく選べば年間数千円〜数万円の節約になります。
村松先生、スマホとネット回線を見直したら結構節約できそうなんですが、電気代も新電力に乗り換えたほうがいいですか?友達が「新電力に替えたら逆に高くなった」って言っていて、怖くて踏み出せなくて。
さおりさん、その疑問はとても大事なところを突いています。確かに、乗り換えて失敗したケースもあります。でも選び方を知っていれば、リスクを最小化して節約できます。まず電力自由化の基本から整理しましょうか。
電力自由化とは?2016年から何が変わったのか
2016年4月、家庭向けの電力販売が自由化されました。それまでは地域の大手電力会社(東京電力・関西電力など)からしか電気を買えませんでしたが、自由化後は700社以上の新電力会社から選べるようになりました。
ただし、電線やインフラは今も大手電力会社のものを使っています。「新電力に乗り換えると停電しやすくなる」ということはありません。電気の品質は変わらないんですよ。
それは知りませんでした!インフラは同じなんですね。
大手電力 vs 新電力 料金比較表(300kWh世帯・東京エリア)
一般的な家庭(月300kWhの電気使用量)を基準に試算します。
| 電力会社 | 種別 | 月額料金(目安) | 年間料金(目安) |
|---|---|---|---|
| 東京電力(従量電灯B・30A) | 大手電力 | 約10,500円 | 約126,000円 |
| 東京ガス(ずっとも電気) | 新電力(ガス系) | 約9,800円 | 約117,600円 |
| ENEOSでんき | 新電力(エネルギー系) | 約10,200円 | 約122,400円 |
| 楽天でんき | 新電力(ポイント型) | 約9,600円 | 約115,200円 |
| auでんき | 新電力(通信系) | 約10,000円 | 約120,000円 |
東京電力から楽天でんきへの乗り換えで、年間約10,800円の節約になる計算です。ポイントも加味すると実質の節約額はさらに大きくなります。
年間1万円以上節約できるなら魅力的ですね。でも、友達の話で気になったのが「乗り換えたら料金が上がった」っていうケースなんですが、なぜそういうことが起きるんですか?
それは燃料費の高騰に対応できなかった新電力の問題だったんです。2022年ごろ、ウクライナ問題などで電気の調達コストが急上昇したとき、一部の新電力は市場連動型の料金プランを採用していて、電気代が月に2倍近くなったケースもありました。
それは怖いですね…。
ただ、今は多くの会社が「固定単価型」プランに移行しています。選ぶときに「市場連動型かどうか」を確認すれば、そのリスクは避けられます。
新電力の倒産リスクについて正しく理解する
2022年以降、燃料費高騰を背景に100社以上の新電力が撤退・倒産しました。これは確かに事実です。ただ、重要なのは「倒産しても突然電気が止まることはない」という点です。
万が一、契約中の新電力が倒産・撤退した場合、地域の大手電力会社が自動的に供給を引き継ぎます(最終保障供給)。電気が止まる心配はありません。ただし、大手電力の料金(やや割高)に自動移行するので、早めに別の会社を探す必要は出てきます。
倒産リスクを減らすコツとしては、大企業グループの新電力を選ぶことです。東京ガス・ENEOS・楽天・auなど、本業が別にある大企業系なら経営基盤が安定しています。
なるほど!じゃあ「聞いたことのない新電力」じゃなくて、知っているブランドの電力会社を選べばいいんですね。
そのとおりです。あとはポイントサービスや、ガス・ネット・スマホとのセット割も確認すると、トータルの節約額がさらに増える場合があります。
乗り換えの手順(工事不要・ネット申込みのみ)
電力会社の乗り換えは、工事もなく手続きも思ったよりシンプルです。
- 現在の電力会社・料金プランを確認:電気代の明細書か電力会社のマイページで確認。
- 新電力の公式サイトで申し込み:検針票(電気の使用量のお知らせ)に書かれている「お客様番号」「供給地点特定番号」が必要。
- 切り替え完了の通知を待つ:申し込みから1〜2ヶ月で切り替え完了。この間は元の電力会社から供給が続きます。
- 切り替え完了後に新しい会社から請求が届く:自動的に切り替わるため、何か別途対応する必要はありません。
解約金や工事費は原則かかりません(一部プランは例外あり)。
年間節約額の計算方法(300kWh世帯で試算)
電気代の節約額は、使用量が多いほど大きくなります。以下の計算式で概算できます。
節約額(年間)=(現在の単価 − 新電力の単価)× 月使用量 × 12ヶ月
例:東京電力から楽天でんきへ乗り換えの場合
単価差:約3円/kWh × 月300kWh × 12ヶ月=年間約10,800円節約
| 月使用量 | 年間節約額(目安) | 10年間の節約額 |
|---|---|---|
| 200kWh(1〜2人世帯) | 約7,200円 | 約72,000円 |
| 300kWh(3〜4人世帯) | 約10,800円 | 約108,000円 |
| 400kWh(4〜5人世帯) | 約14,400円 | 約144,000円 |
10年で10万円以上!これは乗り換えない理由がないですね。さっそく検針票を探してみます。
スマホ・ネット・電気と3つ見直すだけで、年間40万円近く節約できる家庭もありますよ。固定費の見直しって、一度やれば何もしなくても節約が続くので、最もコスパの高い節約法だと思います。
まとめ:40代が後悔しない新電力選びの3原則
- 大企業グループ系を選ぶ:東京ガス・ENEOS・楽天・auなど経営基盤が安定している
- 市場連動型プランは避ける:電気代が青天井になるリスクがある
- スマホ・ガスとのセット割を確認:トータルの節約額が最大化できる